【あの方⑤】組織内の権力闘争・新出先生の祖父・蓮の沈黙

あの方

前回の第4回ではこの2つに触れた。

●考古学に脳科学の権威、医者・・・黄昏の館に集められたオールスターたち
●黒の組織誕生に関わった新出家

今回は、組織の中で起きた「新出家かそれ以外か」の権力闘争や、新出先生の祖父だけが家族構成に出てこないこと、蓮が暗示する組織の終わりを見ていく。

組織の中で起きた「新出家かそれ以外か」の権力闘争

新出家がいくら医師の一族とはいっても、財界きっての大富豪である烏丸蓮耶ほどの財力を持っているわけではない。烏丸蓮耶から遺産の一部は受け取ったものの、組織の活動で使うにつれ、徐々に減っていった。そして、あの方の座にある新出家の影響力は、次第に弱まっていく。その混乱の中で「新出家かそれ以外か」の権力闘争が起こり、激しさを増していった・・・

金は力。組織の権力を掌握したいと考える、新出家以外の一派が結束。そして、大きな利益を得られる現在のような取引に関与するようになっていった。新出家側も負けじと同じことをした。結果、この「新出家かそれ以外か」の争いが、烏丸蓮耶なき後50年ほど続いた結果、今の黒の組織の収益源に至ったのかもしれない。

新出先生の祖父だけが家族構成に出てこない

ところで、烏丸蓮耶から直接英知を託された新出先生の先祖とは、新出先生の祖父なのではないか。ネットで新出先生の家族を見ると、父・母・祖母・継母は出てくる。なのに、いくら探してもおじいちゃんの名前が出てこない。

なぜ欠けているのか・・・。そこに気づかせたい意図が青山先生にあったのか?ミステリアス。実は重要人物なのか?

もし新出先生の祖父が、あのとき黄昏の館にいたとしたら・・・
もし彼が、烏丸蓮耶の信頼を得た人物だったとしたら・・・

当時、新出先生の祖父は何歳か。新出先生の祖母が74歳なので、祖父はその5歳年上とすると、79歳。つまり、黄昏の館の一件があった40年前には、新出先生の祖父は39歳。当時、烏丸蓮耶は99歳であり、新出先生の祖父とは年齢に開きがあるので、間に新出先生の曾祖父がいたのではないか。

新出先生の祖父と曾祖父の年齢を25歳差とするなら、黄昏の館の当時は39歳+25歳で、曾祖父は64歳。これなら、烏丸蓮耶との年齢差にそれほど違和感はないし、長年主治医として見てきたことで、黄昏の館の前から関係が深かったことも伺える。

アニメで、新出一家の中で祖父の名前が明かされず、存在も触れられなかったのは、そこに視聴者の注意を向けるためではないか。また、その祖父を入口として、新出先生の曾祖父にたどりつかせるためではないか。

そんな新出先生の祖父と曾祖父は、黄昏の館で昼夜交代で待機し、烏丸蓮耶の診察や治療をすることで、信頼関係を決定的なものにしたのではないか。そして、黄昏の館に集められた学者や専門家たちの英知が記録された極秘書類を、まもなく人生を終えようとしている烏丸蓮耶に変わって管理するよう、頼まれたのではないか。

このあたりのことは、前回の第4回に書いた。

蓮は組織の終わりを暗示したもの

烏丸蓮耶の名となっている蓮。これは、いずれ組織が崩壊していくことを暗示しているのではないだろうか。湖に咲く蓮の花は、いずれ枯れて湖の中に沈んでゆく。蓮の字が入ったスイレン(睡蓮)も、似たような運命をたどる。

烏丸蓮耶と新出先生の名前につながりがあることは、第1回と3回で触れた。蓮を襲名した新出先生が捕まり、組織が崩壊したとき、その花びらも水面に落ちて湖の底に沈み、冷たくて暗い世界に囲まれた永遠の沈黙が訪れる・・・。まるで、組織の活動が終わるのを示すように。

そういえば、425話の「ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間」の冒頭シーンで、湖が出てきた。黒の組織の訓練で、湖でボートに乗るケビン・ブラウンをターゲットにしたあのシーン。

蓮は湖に咲く花。黒の組織がメインの回に、湖が出てきたのは偶然だろうか・・・

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